「A Face in the Crowd」観劇

観劇日:2024年10月15日 19:30公演
劇場:Young Vic Theatre

こんな方におすすめ
・Ramin Karimlooファン
・バックステージもの
・大きすぎない劇場の作品が好き

作品タイプ
「Sunset Boulevard」「Evita」「Dream Girls」「Jersey Boys」「Memphis」

「レ・ミゼラブル 25周年記念コンサート」のアンジョルラス役や、
「オペラ座の怪人 25周年記念公演」のファントム役を演じていることから、日本にもファンがたくさんのRamin Karimloo
私も来日する度に、観劇に行っていました笑

そんなラミン出演の新作ミュージカル「A Face in the Crowd」を観劇しました!

あらすじ

1950年代のアメリカ。
ラジオ局でプロデューサーかつキャスターを務めるMarciaは、
ある日留置所に収監されていた歌手のLonesomeに出会う。
人を惹きつける彼の歌声を聴いたMarciaは、すぐに自分の番組へ出演させることに。

マイクの前で、最初は勝手が分からず緊張していたLonesomeだが、
トークの軽快さと魅力的な歌声はすぐに話題となり、一躍人気者へ。

その勢いはとどまることなく、テレビ出演や広告モデルなど、アメリカ全土へと仕事が広がっていく。
ついには政治家の選挙活動もサポートするように…

その人気とカリスマ性を利用され、自分らしさを失っていくLonesome。
自分から離れていき、傲慢さが増していく彼の変貌ぶりを見ていたMarciaは、
ある日のテレビ放送で、Lonesomeの本当の姿を世間に暴露することを決断。

人気者の地位を失ったLonesomeは…

観劇してみて

ラジオプロデューサーを目指して、何か新しいものを探しているMarcia
そんな彼女が刑務所で出会った口が達者で、魅力的な歌声を持つ男。
出会うべくして、出会った2人、というような始まり。

Ramin演じるLonesomeは、すごく純粋に、人生をあるがままに楽しむ心を持っていた人が、
名声、お金、権力、欲にまみれて、少しづつ自分らしさを失っていくように見えました。
素直だからこそ、人を疑わないというか。

テレビという新しいメディアが出てきて、作る側も見る側も熱に浮かされているような時代。
利用する人間、気づかず利用されている人間。
いつの間にか、自分とは面識もない人々=crowdに、求められるLonesomeであろうとする。

そのままの彼の素敵さを知っていて、見出したのがMarciaだからこそ、
テレビの生放送で裏の顔を暴露した。
(Lonesomeがオフレコだと思って、素で喋っているところを放送した。)

作り物だと知られてしまったが故に、命を絶とうとするLonesome。
個人的には、そこまで絶望しなくても…とは思った。笑
もしくは、そのどん底に落ちるにあたって、もう少し天狗ぶりが見たかったのかなあ。
(真逆さをもっと感じたかった)
その前に、妻に浮気されて、捨てられる場面もあったりで、
少しずつ下り坂を転がり始めているのが見えてたから、あまりギャップを感じなかったのかも。

そんな彼の自殺を止めるけど、突き放すMarcia。
彼のためを思っての行動だけど、一緒に生きていこうとはならない。
Marciaは人に左右されず、ビジョンが明確な女性だと感じました。
Anoushka Lucasの芯がある歌声も役柄をよく表現しているなと。
あくまでも自分の選択は、自分で責任を持ってする。
使えるものは使う。
お互いにカリスマ性があって、直感的に生きている力が強い2人だから、通じあったこともあった。
けど、人気者ではなくなったLonesomeとは一緒にいる意味はない。

その冷たさが彼女のかっこよさであるようにも感じました。
ただ、自分が始めたことに、区切りはつけたような感じ。
新しい何かを見つけるセンスを彼女は持っているから、
Lonesomeは絶望してるけど、彼女は今後も大丈夫だろうなって。

物語全体の印象はこんな感じで。
二幕冒頭
政治家の選挙活動を支援するLonesome。
観客にもアメリカ国旗が配られて、一緒に盛り上げる演出があったのですが、
人を煽動する役をやらせたら、Raminほどぴったりな歌声はないなと。
客席のボルテージも上がって、素敵でした!

他の役の皆様も、歌声・お芝居がしっかりしていて。
コンパクトな劇場ですが、その分、工夫して表現された舞台美術が好みでした。
ラジオ局、収録スタジオ、電車、バー、楽屋など、大規模な転換ではなくても、
それぞれがカラフルに彩られているなと!

今回のミュージカルの原作となった映画、「A Face in the Crowd」(1957)

結末の印象が、舞台と少し違うように感じましたが、興味があればぜひ!

今回の劇場

劇場は、ロンドン・アイやナショナルシアターがあるWaterloo駅エリアの「Young Vic Theatre」

なんとも素敵な劇場の構造で!
入口を入ると、劇場というよりはクラシカルな映画館のような印象。

このボックスオフィスを正面に、人に流されるまま左に曲がると…

パブがあって!!!!
あれ、劇場に来たはず…と困惑しながらも、劇場と食事できる場所が
くっついてるなんて、素敵じゃないかって。わくわくしました!!!

楽しそうに飲んでる人たちの間を抜けていくと、お手洗いがありました。
お店の中には、公演の舞台写真やポスターが貼ってあって、それも素敵。

そして、この階段を上って、いよいよ劇場へ!

チケットを確認してもらって、黒壁の暗い通路(映画館みたいな)を抜けていくと、
ステージが!!

開演前にもJazzyな音楽が流れていて、パブから劇場の空間が途切れなく繋がっているようで、
その感覚が面白かった。

なんというかパブ=現実、劇場=非現実、だけど切れ目なく繋がっている感じ。

座席も横に繋がっている長椅子みたいな形。
カジュアルなのが素敵ではありつつ、ちょっとお尻と背中が疲れました。

作品によって、ステージや客席の構造も変化する劇場なので、違う作品でも、
また来たいなと思いました!

今回のチケット

「Today Tix」アプリからRushチケットを購入しました!
価格は25ポンドで、日本円だと5000円くらい。(24年10月時点)

Upstairs K-7 という席でした!

ステージ全体を観られて、ちょうどよい距離感でした!

最後に

エンタメの華やかさに踊らされた人間の喜哀を感じた物語でした。
「A Face in the Crowd」そのまま訳してみると、「群衆の中の顔/大衆の一人」。
大勢の中の一人であって、特定の誰かではない。

Lonesomeは凡人ではない才能があったけれど、
最後には、他の人と同じ匿名の誰かにすぎなかったのかもしれない。


もう少しタイトルの意図が汲み取れるとよかったなと思いましたが、
久しぶりにラミンの生歌を聴くことができて、嬉しかったです!

「A Face in the Crowd」上演概要


公式HP:https://www.youngvic.org/whats-on/face-the-crowd
劇場:Young Vic Theatre

上演期間:2024年9月12日~11月9日 上演終了
上演時間:約2時間35分/休憩含む

Cast

Lonesome Rhodes:Ramin Karimloo – Marciaに見いだされる放浪者・歌手。
Marcia Jeffries : Anoushka Lucas – ラジオ局のプロデューサーかつキャスター。
Mel Miller : Olly Dobson – ラジオ番組の脚本家。Marciaを口説こうとする。
Betty Lou : Emily Florence – Lonesomeの妻。後に、Joeyと浮気する。
Joey De Palma : Stavros Demetraki – Lonesomeのマネージャー。
ほか

Creative

音楽・歌詞:Elvis Costello
作:Sarah Ruhl
演出:Kwame Kwei-Armah
美術:Anna Fleischle
照明:Jackie Shemesh
音楽スーパーヴァイザー・音楽監督:Phil Bateman
音響:Emma Laxton
振付:Lizzi Gee
オーケストラ:Will Stuart
キャスティング:Heather Basten CDG

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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