「Spirited Away-千と千尋の神隠し」観劇

観劇日:2024年6月15日 14:30公演
劇場:London Coliseum

こんな方におすすめ
・原作映画が好き
・観劇が初めて
・想像の余地がある作品が好き
・「Hamilton」の美術が好き(個人的見解ですが、あのセット好きな人は好きだと思う!)

観劇をとても楽しみにしていた作品です。
現地のお客さんの反応にもわくわくしながら、観劇してきました!

あらすじ

引っ越し先へと移動する中、森に迷い込む千尋と家族。
引き寄せられるように見つけたトンネルを通り抜けると、見たことのない町が。
匂いにつられて、屋台の食べ物を食べ始める両親。
千尋が町の異変に気付いたときには、父と母は豚になってしまっていた。

日暮れと共に現れ始めた影の存在から逃げていると、自分の名前を知るハクという青年に出会う。
この世界で生きるために、八百万の神々がやって来る湯屋で働かせてほしい、と願い出る千尋。
湯屋の経営者である湯婆婆と契約を交わし、「千」という名前で働き始める。

面倒を見てくれるリン、自分の味方だというハク、八百万の神々、そして、正体不明のカオナシ
様々な出会いや仕事を通して、人として成長していく千(千尋)。

両親を人間に戻し、元の世界に帰ることはできるのか…

観劇してみて

とても安心感に包まれた観劇でした。
久しぶりといっても、1か月ぶりくらいですが、日本語の台詞が沁みました…
言葉・音のニュアンスの違いがこんなに伝わってくるって、と自分の母国語の大切さを実感しました。
言語に文化って宿ってるんだなあと。

この日、千尋を演じていた上白石萌音さん。
2022年の初演も拝見したのですが、本当に映像から、そのまま現実の世界に出てきたような千尋。
走ったり、飛んだりと体を使う場面も多いですが、動き方も含めてたくさん研究されたのだろうなと感じました。

物語序盤、ハクに言われた通り、窯爺のところへ行って、「働かせてください」とお願いする場面。
「働かせてください」と言ってはいるものの、「働く」という意味が分からないまま、とにかく言葉を発しているだけのようなニュアンス。
湯婆婆のところへ行くため、窯場を去るときの「ありがとうございました」も力なく。
(そりゃ、小学生だもの)

それでも、少しずつ少しずつ、目の前のことに向き合って、自分にできることを考えて、行動して。
最後には、誰に促されるわけでもなく、「お世話になりました!」と湯屋のみんなに別れを告げる姿に、一人の少女の成長を感じました。

また、まっくろくろすけや龍の姿のハク、ねずみに姿を変えた坊など、実際はパペットであっても、相手に命を与える柔らかく、繊細なお芝居が素敵でした。


そして、個人的に印象的だったのが、ドロドロだった「河の神様」が綺麗になった後の舞い
物語の中での湯屋全体の高揚感、カンパニー全体の一体感が合わさって、何とも晴れやかな空気で劇場が満たされた瞬間でした!

現地のお客様は、まっくろくろすけや頭(緑の頭3体)に笑っていたり、カオナシの予想外の動きを楽しまれているように感じました。
日本語上演・英語字幕での上演ということもあってか、他の公演に比べて、静かに作品を見守りつつも、カーテンコールでは大きな歓声や拍手がわあっとあがっていました!

舞台ならではの盆が効果的に使われた美術
絵を描いたような優しい色使いの映像
そして、物語に寄り添いつつ、登場人物の心情や言葉のない場面をも色彩豊かにする音楽
(もちろん、その他すべてのセクションやスタッフの皆様も!)

全てが一つに合わさった空間が、とても幸せな作品でした。

今回の劇場

劇場は、トラファルガー広場やナショナル・ギャラリーに近い「London Coliseum」
English National OperaやEnglish National Barretの公演が上演されている劇場です。

1. 劇場までの行き方

地下鉄を使用する場合は、「レスター・スクエア」か「チャリングクロス」駅が近いです!
私は、レスター・スクエア方面から歩いて来たのですが、交差点で迷いまして…

レスター・スクエア駅からトラファルガー広場に向かって歩いていくと、右手に「ナショナル・ポート・ギャラリー」が見えてきます。
ギャラリーに引き寄せられないように、左手の建物に沿って進んで、「The Chandos」というパブを左に曲がってくださいね!
曲がったら、すぐ劇場が見えます!

2. 劇場施設

お手洗いは各階にあるようです。(劇場HPに記載あり)
私は「Stalls(1階席)」での観劇だったのですが、劇場入口の1つ下の階にお手洗いがありました。
列はできていましたが、数も多かったです!

グッズは客席扉近くのホワイエや劇場入口近くに物販販売スペースがありました。
終演後でも購入可能でした!

3. 客席のなか

入った瞬間に、「うわあ」ってため息が勝手に出てました。笑

劇場の壁と美術の色味がとても合ってました!緑が映える
日本公演でも同じだったかが定かではないのですが、客席内の赤い提灯が、演出に合わせて光った場面は、物語の世界観にぐっと引き込まれました。

今回のチケット

今回、知り合いの方にチケットをお願いしたため、サイトなどからは購入していないのですが、以下はご参考まで。

・ロンドンキャストスケジュールはコチラからチェックできます!

チケットの購入は劇場のオフィシャルサイトから、ご確認ください!
 (他のチケット販売サイトも見たのですが、取り扱いがなかったです。)

・不明点があれば、BOX OFFICEまでお問い合わせが可能です。
 Email: box.office@londoncoliseum.org
 私も確認したいことがあり、連絡したのですが、1時間ほどで返信が来ました!
 英語での問い合わせになりますが、対応は早かったです。

最後に

日本公演も無事に千秋楽を迎えましたね。おめでとうございます!
これだけ大きなカンパニーが、同時に違う国で上演するのは、キャスト・スタッフの皆様が尽力に尽力を重ねてのことなのだろうと思います。
そんな団結力が、ステージから伝わってくるから、本当に素敵。
最後まで無事に走り抜けられますように。

ロンドン滞在中の計画のひとつに、ぜひご観劇ください!

「Spirited Away- 千と千尋の神隠し」
上演概要

公式HP:https://www.spiritedawayuk.com/
劇場:London Coliceum

上演期間:2024年4月30日~8月24日
開演時間:火曜日~土曜日 19:30
     水曜日・土曜日 14:30
 日曜日 15:00
  ※月曜日は休演日
上演時間:約3時間/休憩を含む

Cast

千尋:上白石萌音
ハク:三浦宏規
カオナシ:山野光
リン/千尋の母:妃海風
窯爺:萬谷法英
湯婆婆/銭婆:春風ひとみ
兄役/千尋の父:大澄賢也
父役:伊藤俊彦
青蛙:元木聖也
:五十嵐ゆうや
:武者真由

【湯屋組】
新井海人、桜雪陽子、大重わたる、彩橋みゆ、今野晶乃、澤村 亮、末冨真由、髙橋莉瑚、竹廣隼人、知念紗耶、手代木花野、中上綾女、西宮ゆうき、花島 令、藤岡義樹、水野栄治、Miffy、森田茉希、保野優奈、YAMATO

【スウィング】
木村和磨、毛利アンナ加奈子、森莉那、広瀬斗史輝

指揮:橋本和則

※プリンシパルキャストの皆様・指揮者のネームボードはロビーにあったのですが、アンサンブル・スウィングの皆様に誤りがありましたら、ごめんなさい。

Creative

原作:宮﨑駿

翻案・演出:John Caird『ジェーン・エア』『ナイツ・テイル』『ダディ・ロング・レッグス』

共同翻案:今井麻緒子

オリジナルスコア:久石譲

音楽スーパーヴァイザー・オーケストレーション・編曲:Brad Haak『パリのアメリカ人』『メリー・ポピンズ』

音楽スーパーヴァイザー補・オーケストレーション・Abletonプログラミング:Conor Keelan

美術:Jon Bausor『ナイツ・テイル』

パペットデザイン・ディレクション:Toby Olié 『リトルマーメイド』『ロボット・イン・ザ・ガーデン』

振付・ステージング:井出茂太
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
衣裳:中原幸子
ヘアメイク:宮内宏明
映像:栗山聡之
音楽監督:深澤恵梨香
テクニカル・マネージャー/舞台監督:北條孝

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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