「The Hills of California」観劇

観劇日:2024年6月8日 14:00公演
劇場:Harold Pinter Theatre

作品タイプ
・女性がテーマの作品
・家族を描いた物語
PARCO劇場系ストプレ、ミュージカルだと「GYPSY」「FUN HOME」

2024年オリヴィエ賞で「演劇作品賞」にノミネートされた作品。
6月15日が千秋楽とのことで、観劇してきました!

あらすじ

舞台は1976年、イングランド北西部にある海沿いの街・Blackpool。
Webb姉妹は子供時代を過ごした家に集まり、彼女たちの母親・Veronicaを看取ろうとしていた。

姉妹の中で、自分の家庭を持つGloriaRuby。一度も家を出ていないJill
そして20年間行方が分からないままのJoanだけが、家に戻ってこない。

幼い頃に姉妹で歌っていた曲を思い返すと、舞台は1950年代へ。
そこには、厳しくも愛情をもって指導する母親と、毎晩 Andrews Sisters(※)の曲を練習する四姉妹の姿が。

母親に隠れてやんちゃをするような仲の良い姉妹。
ある日、アメリカの音楽プロデューサーが歌を聞きに来た日を境に、家族を変えてしまう出来事が。

母親の死を目前にして、傷を抱えながら生きてきた姉妹たちが、それぞれ思うこととは。
そして、Joanは家に戻ってくるのか…

※Andrews Sisters:1930年代から1960年代に活躍したアメリカ出身の三人姉妹からなるジャズ、ポップスのコーラス・グループ

アンドリューズ・シスターズ/ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典/2023年6月24日 (土) 23:45 UTC

観劇してみて

音楽もあって明るい雰囲気かと思っていたら、家族の心の傷を描いた、しっかりとしたお芝居でした。
Ruby、Gloriaと一人ずつ家に帰ってきて、久しぶりの再会から近況を話す1幕は、英語が早くて状況を追うのに精いっぱいでしたが…

ふと姉妹で歌っていた曲を思い出したことをきっかけに、180度、盆舞台が回転すると、そこは1950年代のダイニングの様子へ。

どこか大人になった姿の面影がある四姉妹の子供時代。
会話のお芝居のテンポがよく、歌のハーモニーもとっても素敵。
演じている子達みんな10代??と驚きましたが、キャリアを見ると、「Matilda」などの舞台やテレビ出演の経験が豊富な子たちで納得。

母親のお気に入り、そして、家族がバラバラになってしまうきっかけとなるJoan
子供時代を演じているLara Mcdonnellさん。
物語の中でも、姉妹の中でただ一人プロデューサーの目を引くのですが、
それも納得できるオーラと個性が光っていました。

そして、まるでハリーポッターの動く階段を想起させる長い階段を使った美術。
舞台上部(文字幕よりも上)から階段を使って降りてくる演出も新鮮でした。
かつ、1976年の設定では、上の部屋にいて、姿が見えない母親。
それでも存在を感じさせる、見えない部屋・空間があることの不気味さ、不穏が織り交ざった余白のある美術だと感じました。

10代という多感な時期に、姉妹の中で感じる格差。
エンタメの世界で生き残るには、実力以外のことも必要だった時代。
家族だからこそ、切っても切れない関係。
各幕切れでの暗転が余韻を含んでいて、とても印象的でした。

今回の劇場

劇場は、1881年に建設され、2011年まではコメディーシアターとして親しまれていた「Harold Pinter Theatre」

劇場内には、過去の作品の記事や写真がたくさん飾られていました。
少し早めに劇場に入って、廊下の壁などを見て回るのも楽しいと思います!
また、通路が狭く、劇場内は比較的混雑していました。お手洗いも早めのご利用を!

この日、劇場ツアーが開催されていて、ステージから撮った写真です。

座席はStalls/Dress Circle/Royal Circle/Balconyと4階層に分けられていて、全796席。
一番上のBalconyからだと、かなりステージを見下ろす印象になります。
また、Stallsエリア(1階席)の N列以降は、上階の屋根が視界に入ってくるため、チケットご購入の際はご参考に!

今回のチケット

開演3時間前に、各チケットサイトを検索してみたところ、値段と席位置の希望が一番マッチした「London Theatre Direct」で購入しました!
価格は35ポンドで、日本円だと6500円くらい。(24年6月時点)

Dress Circle(2階席)の一番左端・隅っこの席にしたので、見切れるかなとは思いましたが、下手が見えませんでした…
ステージまでの近さは個人的には、満足です!高さも見やすかったです。

最後に

ロンドン公演は千秋楽を迎えてしまいましたが、9月からはBroadway・Broadhurst Theatreでの上演が予定されています!
もし、ニューヨークに旅行する予定がある方は、チェックしてみてください!

「The Hills of California」
上演概要


公式HP:https://hillsofcaliforniaplay.com/
劇場:Harold Pinter Theatre

上演期間:2024年1月27日~6月15日
開演時間:月曜日~金曜日 19:00
  水曜日・土曜日 14:00/19:00
上演時間:約2時間50分 1幕・2幕間に休憩あり/2幕・3幕間は舞台転換に伴う小休止

※喫煙シーン多数あり

Cast

【Webb 姉妹】
Jill:Herena Wilson
Ruby:Ophelia Lovibond
Gloria:Leanne Best
Veronica/Joan:Laura Donnelly -母親役と一人二役

Penny:Natasha Magigi -母親の看護師
Mr Potts:Richard Lumsden -子供たちのピアノ伴奏

Young Jill:Nicola Turner
Young Ruby:Sophia Ally
Young Gloria:Nancy Allsop
Young Joan:Lara Mcdonnell

Luther St John:Corey Johnson -アメリカのプロデューサー
ほか

Creative

作:Jez Buttherworth 『Ferryman』
演出:Sam Mendes 『Ferryman』『1917命をかけた伝令(映画)』
美術:Rob Howell『Matilda』
照明:Natasha Chivers
作曲・音響・編集:Nick Powell
振付:Ellen Kane
音楽スーパーバイザー・編集:Candida Caldicot
キャスティング:Amy Ball Cdg
子役キャスティング:Verity Naughton Cdg
演出補:Zoe Ford Burnett
衣裳:Lucy Gaiger
ヘアメイク:Campbell Young Associates
小道具:Lisa Buckley
製作:Sonia Friedman Productions & Neal Street Productions

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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